オス決定遺伝子「OTOKOGI」発見(Sankei WEB)


 生物のオス(精子をつくる性)を決定づける遺伝子を、東京大学大学院理学系研究科の野崎久義助教授らの研究グループが、原始的な緑藻類の仲間で見つけた。「OTOKOGI(侠)」と命名されたこの遺伝子の発見で、生物の性はメスが原型でオスはその派生型であることが示唆されるという。オスとメスの起源に迫る成果で、19日発行の米専門誌「カレント・バイオロジー」に発表した。
(中略)
 ゲノム解析の結果、クラミドモナスの性決定遺伝子が「OTOKOGI」の起源であることも分かった。この結果「性の原型はメスで、オスはOTOKOGIのような性決定遺伝子を持つことでメスから派生する」と考えられる。
 「OTOKOGI」は野崎助教授が好きな任侠(にんきょう)映画にちなんだ命名。漢字を当てると「侠」の1文字だそうだ。
 うーむ。興味深い発見だけど、遺伝子の命名はもっと機能が明らかになってからの方が良かったかも。
 例えば過去に、ショウジョウバエの"satori"遺伝子なんてのもあるし。(Wikipedia「ショウジョウバエ」ショウジョウバエの遺伝子名の項参照)実はこの遺伝子、雌蝿がいても雄蝿は交尾をしかけなくなるけど、雄蝿に対しては交尾を仕掛けるという同性愛行動を示す変異だったんだよなあ。(参考:東京都神経研: 神経科学セミナー「ショウジョウバエの性行動と性的二型ニューロン」
 ヒトのロマンや憧憬は、時々残酷な現実に打ちひしがれることがあるので、研究者や技術者には強靱な精神力と寛容さや柔軟性を求められるのだった。――――――――多分。