プラチナ本の当惑

 Amazonで頼んでいた「ダ・ヴィンチ」が届いたので、つらつら読む。「今月のプラチナ本」に取り上げられていたのは、何と平山夢明著「独白するユニバーサル横メルカトル」であった。
 ……プラチナ本?
 いや、面白いのは認める。人によっては読むことで人生が変わっちゃうかもしれない。
 でも「プラチナ」と言われると、なんか違う。お薦めか、と訊かれても困る。
 どっちかというと、なんというか、暗黒本、というか、同じ金属なら水銀本とかカドミウム本とか。そんな感じ。
 失礼なと思う方がいるかもしれないが、褒めているので、念のため。いやだって。一読したら消えない傷を付けられて、お陰でもう楽園には戻れないのよ、とかそういう感じだし。私は擦れた大人になってから読んだからいいけども、純粋無垢な子供には気の毒で勧められないよ、という。
 ……なんか、書いているうちにどんどん褒め言葉から離れていくような気がするぞ。でも読書体験って、ある意味そう言う物なのだな。ホラーなんてジャンルは特に。