変わりやすい天気

 朝方通勤時には霧雨が降っていて、空には雲が垂れ込めていたのだが、昼頃にはもくもくした夏雲の間から強い陽射しが射すようになっていた。
 やあ夏日になるな、と思っていたら、夕方はまた霧雨になったのだった。
 働いてる間だけ晴れ間が覗くなんて不条理だ。
 それはそうと、蕭々と降る霧雨の中を駅まで歩いていたら、黒塗りの、脇腹に日の丸と「神州」なんたらという文字が大書され、屋根にスピーカーの取り付けられたバンが、しずしずと走っているのを見かけた。
 あの車は多分、日中には近辺で、割れた声の演説と大音量の軍歌を流していたのだろう。年中行事としてこの日を外すわけにはいかないのだろうが、お盆休み中だから聴衆はとても少なかったはずだ。
 なんだかとても異な気分であった。