耐震構造どころか… 中国で竹筋コンクリート 高層分譲住宅で露見(西日本新聞)


【北京28日傍示文昭】耐震強度偽装どころか、鉄筋の代わりに竹を使用―。中国浙江省杭州市の高層分譲住宅で、鉄筋の代わりに竹の棒を使った欠陥工事が見つかった。施工した建設会社は「出稼ぎの農民労働者が鉄筋を使い切ってしまい勝手にやったことだ」と説明しているが、工事を監督する同市の建築担当当局は建物全体の安全検査を命じるなど、真相の究明に乗り出した。
 北京の大衆紙・北京晨報によると、住宅を購入した家主が今月8日、トイレを改装しようと壁を壊したところ、本来は梁(はり)の支えとしてコンクリート内に入れてあるはずの太さ12ミリの鉄筋2本の代わりに、長さ約1.3メートルと同約50センチの竹の棒2本が埋められていた。
 いやあの。こういう構造にしちゃった動機は不当なコストダウンというか手抜きかなんかだったかもしれないけどね。「竹筋」だからといって「耐震強度偽装」とは限らないんじゃなかろうかと。
 以前私も、日本でも戦時中に建てられたという「竹筋コンクリート」の建物を見たことがあるけども、その時既に戦後四十数年ほど経っていたにも関わらず、その建物は問題なく建っていたのだった。竹筋にした理由は鉄の供出で鉄筋が足りなかったせいではあるんだけども、竹というのは鉄と弾性度が近いんだそうで、管状の構造のせいもあって意外なほど強度もあるんだそうだ。
 まあこの中国のケースの場合は高層建築だそうだし、実際建物を支えられるだけの強度だかどうかは分からないんだけども、鉄じゃなくて竹だった、というだけで脆いとも限らないんじゃなかろうかと。
 ちゃんと調べてみないうちはビルの持ち主にも住人にも不安があるだろうとは思うけども、意外に瓢箪から駒、な強度を発揮するかもしれんですよ。有機物の素材なんか腐るんじゃ、と思うかも知れないが、コンクリのアルカリの中に固めてあるわけだからそうそう腐敗もしないだろうし。(後日注:アルカリそのもののせいでまず竹の繊維が腐食しちまうんだそうです。嗚呼)それを言うなら、年数の建った鉄筋だって酸化して爆裂ちう危険はあるわけだし。もしかすると、下手な鉄筋より強靱で長持ちかもしれん。
 ここは一つ建材としての実用に向けて、本格的に研究してもらえんもんでしょうかね。

#追記:やっぱり建材として真面目に研究したデータはあるそうです。こちらのエントリ等から紹介されてます。
 流石にそのまま使うのは色々難点もあるようですが、加工によっては利用法があるんじゃないでしょうかね。あるいは竹の構造や成分を応用した新建材とか。