訃報二つ

 方々で既に書かれている話題だけだけども、心覚えに。


ロシア語の同時通訳として活躍し、エッセイスト、作家としても知られた米原万里(よねはら・まり)さんが25日に卵巣がんで亡くなったことが、29日分かった。56歳。葬儀は親族で済ませた。後日、友人葬を予定。喪主は妹の井上ユリ(いのうえ・ゆり)さん。
 父の故米原昶(いたる)氏が共産党衆院議員だった関係で小、中学生時代にプラハソビエト学校で学び、83年ごろからロシア語通訳として活躍。エリツィン元ロシア大統領来日時などに随行通訳を務めた。
 秀逸なエッセイを書かれる方なのは存じ上げていたが、ご病気とはしらなんだ。
 まだ五十代。誰にでもいずれ来ることとは思うけれども、この方が年を取ったら一層味わい深いものを書くんだろうと思っていただけに惜しまれる。
 それと、余計なことかとは思うが、米原氏と同居していたはずの犬猫さんたちはどうなるのだろう、と思ったり。まあ長くご病気と闘っておられたとのことなので、ご自分のところのけものたちの行き先は準備してあったかもしれないが。
 mixiの読者コミュでは、香典代わりに、地域の捨て犬猫の世話している団体に寄付をしてはどうか、という声も上がっていた。これが実現するかどうかは分からないけども、そういう気持ちは分かる。
 何かできないかと思うんだけどね。
オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

ヒトのオスは飼わないの? (文春文庫)

ヒトのオスは飼わないの? (文春文庫)


キザな伊達(だて)男のイメージで映画、テレビなどで活躍した俳優の岡田真澄(おかだ・ますみ)さんが29日、食道がんのため死去した。70歳。お別れの会は6月2日午前10時、東京都港区南青山2の33の20の青山葬儀所。自宅は非公表。喪主は妻恵子(けいこ)さん。
 父親は洋画家の岡田穀、母親はデンマーク人。兄は司会者の故E・H・エリック。フランスで生まれ、1939年、日本へ移住した。日劇ミュージックホールで初舞台を踏んだ後、東宝演技研究所に6期生として入った。
(中略)
 舞台でも活躍し、「夢、クレムリンであなたと」「ラ・カージュ・オ・フォール」などに出演。「ファンファン」の愛称で親しまれ、テレビ番組やショーの司会者としても人気を集めた。
 「仮面ノリダー」のファンファン大佐。最近でも「サルヂエ」なんかに出ていたようだ。(こんな大物があのサルのメイクを承諾したとは、考えてみれば驚きだ)
 前からご病気という話は聞いていたので、もしかしたらという気持ちはちょっとあった。でも快活な美中年/美老人のイメージが強かったもので、亡くなられたと聞いてもなんだかぴんとこないのが正直なところ。
 本当にいなくなっちゃったんかな、人を食ったような様子でまたふっと出てきたりせんかいな、などと思ったり。
 そういや、「トリック」の、奈緒子の亡き父役もこの方だったんだった。「トリック」新作が作られても、もう回想シーン撮れないんだなあ。

 ――って、一番下のお子さんはまだ7歳!? があっ、おとっつぁん罪作り!

 魂の安らかならんことを。