「THE 有頂天ホテル」を見る。

 ヒットしてるようだからまだ先でもいいかなあ、と思っていたのだけど、某シネコンに行ったら丁度良い時間で席があったもので。
 いやあ。笑った笑った。流石。
 まあこれまでの三谷脚本のネタは色々バリエーションを加えて盛り込まれてるんですけどね。パンフには「今回オダギリジョーが演じる筆耕係は、そのまんま『ラヂオの時間』のオヒョイさんの役」というのが書いてあったけど、その他にも「別れた妻につまらない嘘をつく男」というのは、「3番テーブルの客」ですな。
#折角キーワード「オダギリジョー」で来られた方のために説明しとくと、今回のこの「筆耕係」という役は、宴会場などの案内看板や結婚式の案内状などの名前を手書きするというホテルの裏方で、生え際の後退の気になる地味で生真面目で不器用そうな眼鏡に腕抜き姿の青年。彼が披露宴の案内を書いた新婚カップルは必ず幸せになる。(と、副支配人は言っていたがどこまでホントかは分からない)役所広司演じるところの副支配人に頼まれ、急遽年越しパーティー用の「謹賀新年」の垂れ幕を書くことになるも、普段こんな大物は書かないのでどうしても端の方にちまちまとしてしまう。「筆が細いから」と言い訳すると。あり合わせの大きな「筆」を渡される。どうにかきっちり書き上げると、「もう一枚、もっと自由に書いてみては」と言われる――という、内気で頑なそうな青年が振り回されながら徐々に解きほぐされていくという、中盤以降のエピソードのキャラクター。
 これは、入り組んでいながら上手く噛み合っているだけに、見直すとまた新しい発見がありそうな気がするな。ナオミ嬢の正体なんかは、かなり後半になるまで気が付かなかったし。
#そういや今回珍しくオヒョイさん出てませんでしたな。映画「笑の大学」には出てたのに。(ってこれは三谷幸喜監督作品ではない。念のため)