国立科学博物館にて「パール」展

 かれこれ三ヶ月半にも渡って開かれていて、ずっと行こう行こうと思っていたというのに、結局最終日の混雑に見に行く我が身の愚かさよ;
 まあ見られたから良しとしよう。
 人が多くて大変でしたけども、展示品はなかなか良かったですよ。宝飾品の他に真珠生成過程の展示パネルとか映像とか、世界各地に生息する真珠を作る貝と真珠のヴァリエとかね。
 実は真珠自体はどうやったって最大直径2、3センチ程度が限度の物なんで、宝飾品は綺麗だけども、そのなかで一番目立ってるのは真珠以外の石だったりする;(ヴィクトリア女王のネックレスの巨大アメジストとかね)しかし知らなかったんだけど、真珠貝の方もなかなかヴァリエーションに富んでて綺麗なもんですな。日本で真珠養殖に一番普及してるあこや貝が地味だから、一般にそんなもんかと思ってたけど、ピンク貝とか貝殻自体が大きくて華やかな形の物もあるのだった。広く言えばアワビなんかも内部にブリスタ状の真珠を作ることがあるんで真珠貝になるらしい。勿論、貝殻内部の真珠質を螺鈿細工なんかに使うというのもあるし。
 それから、米国産の淡水産二枚貝(オオウネカワボタンガイ等)では、もっぱら貝ボタン製造用に採られていたけど稀に真珠が入っていてラッキー、なんてえ話もあり。派手さはないけど、貝ボタンは貝ボタンでちょっといいね、と思ったり。
 しかしなにしろ、説明文や細かい細工物の前は人だかりなんで、説明文は後で買う図版に頼ることにして現物の印象に集中する。――なんか最近こういう鑑賞が多いような気がするわ;
 で、図版を購入して、売店もちょろっと眺めるも、あんまりグッズには心惹かれる物もなく、退場。ほんとに綺麗なものはお値段も良いしねえ。
 それでもミキモト所蔵の宝飾品類を見ておけたのは収穫であった。他の宝飾店の品があんまり並ばなかったのが残念と言えば残念かな。ま、また宝飾品関係の展示があったら見て回ることでありましょう。