ようやく「チャーリーとチョコレート工場」を見る

 見ましたぜ。
 面白いだろうと思ってはいたけど面白かったですよ。空々しいほどカラフルで不安になるほど明るく軽やか。いやいや。なかなか。「ディズニーランド」という話は方々で出てますが、「の、アイロニィ」であることは工場に入ってすぐのお人形レビューからもう明らか。やー、あれは子供が見たら泣きますわなあ。熱ででろりん、なんて魘されますぜ。
 で、不安な中でもウンパ・ルンパはお茶目だし。(無表情なのに。ジャンプスーツのお仕事スタイルから、看護士、ロックシンガー、アナウンサー、コック、秘書嬢、そしてセラピストとコスプレ多様)ポスターから予想通りジョニー・デップは怪しいし。「体だけ大きくなった子供」っぷりは見事。チャーリー少年の貧乏故の聞き分けの良さが大人に見えるほど。(周りの苦しみが分かっちゃう子供ってほんとかわいそうだなと)
 独自に付け加えた部分もまあ、あれはあれで良しでしょう。クリストファー・リーも渋くて慈愛に満ちながら怖い。
 もっとも父ウォンカ氏については、実は観る前に某所で特殊解釈を先に目にしていて、それがあまりに腑に落ちてしまったもので、私はあんまり一般的な見方をしてないかもしれない。そうだよなあ、あの消えっぷりは、そう考えた方がよっぽど色々納得が行くよなあ、と。(で、抱擁の後目を開けると、傍らにセラピスト・ウンパ・ルンパがいるとかだな)
 音楽も(主にウンパ・ルンパレビュー各曲だな)バラエティに富んでいて楽しかった。現代ポップミュージックの世界、みたいでしたぜ。リスに捕まったベルーカ嬢の歌の爽やかさなど凶悪。しかし見終わった後頭の中でぐるぐる回っているのは「ウィリー・ウォンカは天才ショコラティエ」なのだった。
 あうう、止まらない〜; お人形の貼り付いた笑顔が浮かぶ〜;;

 で、ディズニーランドだ、いや某M.J.のネバーランドだ、という声にはそれぞれ説得力があると思うけれども、私が思い出したのは「ドラえもん」と「パタリロ!」だったのだった。
 「はい、どこでもガラスのエレベーター!」とか「見たまえ、僕の発明品、『フルコースガム』だ!」とか出して、「うわあ止まらない! なんとかしてドラえもーん!」とか「ちょっと、問題があったようだ……まだ生きてるかなあ」とか言うの。ウンパ・ルンパみたいなちっちゃいロボット群はドラえもんにもいくつか出てきたし、同じ顔でわらわら働いてる、というのはタマネギ部隊みたいでもある。
 ――ま、当然の事ながら、逆なのだろう。あるいは同じ根を持つと言うべきかな。(魔夜峰央氏は何かダールの短編から引用したようなのを描いてなかったかな? 多分読んでおいでだと思うのだが)