三井記念美術館にて三井家伝世の名宝展

 一昨日開館したばかりだという三井記念美術館を目指す。日本橋で降りると通り沿いに電柱だか街灯から宣伝旗が下がっている。
 ……どこまでもどこまでも下がっている。しかもそこには「三井本館」としか書いてなくて、それがどこなのか書いてない。この分ではずっと京橋あたりまで行ってしまう。どこやねん、こら。
 途中、さすがにやみくもに歩くのはまずいと気付いてイベントの案内員(ちょんまげ鬘に法被姿であった)の方に聞いて、三越の向こうまで戻る。なんだー、それじゃ三越前じゃん!(←調べて出ろよ;)
 で、この開館記念特別展はというと。流石に渋い展示内容で国宝2点の他にも重文がごろごろ並んでいるのだった(それでも三井家のお宝のごく一部らしいのだ)。客には年輩の方が多かった。若い方でもお茶をやってらしたり書画骨董に興味関心のある方とか。さすがに渋すぎたのか、茶髪のカップルとか子供連れなんてのは全然見ませんでしたなあ。
 で、分かったことはと言うと、

  • やっぱり陶器、特に茶碗とかは分かんないわ、と。いやねー、国宝の茶碗見ても何がどう特別なのか分からないんだね。柄もほとんどないしね。でも見ないと分かるようにならないと聞くからなんぞの宝物が見られるというとできるだけ見ておくことにしてるのだ。が、だからって分かるわけじゃないのよ;
  • やっぱり私はこまこまちまちま精緻に丁寧に細工してあるものが好きなのだった。漆器とか、彫金の宝飾品とか、特に根付けや印籠なんかの小さいお道具とかね。しかしここの展示品の印籠や根付けなんかは、一箇所にまとめてちまちまっと置かれていて、ああっ、あの影になってる根付けには寿老人が彫られてるらしいのにっ、というところもあったのだった。そのうち配置を変えたりするかなあ。
  • 応挙作品では、呼び物の雪松図屏風よりも、小さい「水仙図」が良かったですな。というのも、これは交流のあった三井家の友人の死後に献花代わりに送ったものだそうで。「どーぞついでがあったらおはかにはなを……」などと脳内変換。
  • 藤原定家の直筆という書なんかもありましたが、うーんやっぱり古書もわかんないわ; 歴史的価値なら分かるんだけども、あれが名筆というものなのか;
  • 能面は、これだけ見ても相当面白かったですな。お能をちゃんと見ている方だともっと面白いんでしょうけれども。つい角度を変えていろんな所から眺めてみたくなっちゃう。三番叟(黒色尉)の笑みなんか特によろしかったですよ。真っ黒いけど好々爺。