とは実は関係ないが、「コンスタンティン」と聞くと思い出す

 今からかれこれ十数年も前のことであったか。当時人づてに聞いたエピソードを書いてみる。

 公開中の映画「コンスタンティン」は主人公の名が「ジョン・コンスタンティン」だそうだが、「コンスタンティン」は男性のファースト・ネームでもある。
 十数年前日本で報道された「コンスタンチン」君は、ソ連邦(確かまだ壁の崩壊前だったと思う)東北部在住の少年であった。事故で大火傷を負った彼は、当時まだ国交が十分回復していなかった(のだと思う、多分)にも関わらず、多くの人々の尽力により北海道の大きな病院に搬送され、治療を受けて回復することができたのだった。
 が、私が思い出すのは人々の善意に支えられた少年のことではない。
 そのニュースの少し後のこと、日本のとある大学生が、合宿所で入浴中に、お湯の蛇口の操作を誤ったのだそうだ。
 思いがけず熱い湯が噴出し、彼は軽い火傷を負った。局部に。
 以後しばらくの間、彼は仲間達から「コンスタンチン君」と呼ばれたということだ。

 それだけの話なのだが、映画「コンスタンティン」の宣伝を見るたびに頭に浮かぶのだった。
 ヒトの記憶って、どうしてこういう下らないことから良く憶えるのだろう……