消えるスプーン

 何年か前に無印良品で、シンプルな長めのスプーンを数本購入した。いくぶん無骨ではあるがカップに入れても端がちゃんと縁から出る長さなので、重宝している。
 が、これが突然見あたらなくなってしまった。少なくとも2本は買ったはずなのに、流しにも引き出しにも1本もない。
 うちの場合、こういう時に考えられる可能性は一つ。スプーンはつつき回したり転がしたりすると妙な動きをするもので、猫が「ちゃい」して遊ぶのである。
 猫サッカーのゴールは、冷蔵庫の下と相場が決まっている。
 意を決して動かしてみると、出るわ出るわ。ペットボトルの蓋、菓子パンの口を止める針金、元々猫おもちゃのスポンジボール等。
 スプーンも出て来た。小スプーン2本、フォーク1本。探してた長いの無いじゃん

 結局、スプーンのうち1本は流しの隣においてあった、紙袋や包装紙のストックの間から見つかった。
 流し台に上がってちゃいしやがったな、この。