東京駅前で遊ぶ

 そのむかーし「ぱそこんつうしん」なる場所があって、そこらでお世話になった人々が、形式も新たに遊び場を設定するよ、というので久方ぶりにオフにでかける。
 待ち合わせは東京駅内某所。随分ご無沙汰しておることだから見知らぬ人も多かろう、と思っていたら、着いてみると6人中5人は顔見知りであった。あれ; どうも最近私のように戻ってくる古株が多いのだそうで。
 地下街某所の中華料理屋でがんがん昼食を採り(メニューの最初のページのお薦め点心を「みんなで分けるんだからいいよねっ」と言って、分けにくそうな1種類以外は全部頼む。要る人はそれと別にご飯物か麺類など頼む。そしてほとんどの品をシェアするのである。ミシュランの調査員のように)、本読みの集まりらしく丸善本店になだれ込み(文庫/漫画の階で溜まる。文書新刊の階で溜まる。溜まりつつ散開しつつ、やがて手には会計を終えた本を抱える。「最近店頭で買わなくなっちゃってねー、ポイントつかないし」「そうだね、店頭でチェックしてbk1とかだね」と言いつつ買う)、書店で歩き回ってお腹もこなれたからお茶でもしようか、と丸善前に出る。
 丸善は新しくはなっても基本的に同じ構造なので気が付かなかったが、そこは丸の内の新しい複合ビル施設OAZOの吹き抜けなのだった。ピカソの「ゲルニカ」なんか置いてあるし。
 ここのチョコレート屋カフェに入りたい、というのが今回の幹事/主催のご希望であったが、あいにく席は一杯で、テイクアウトメニューはお休み中だそうであった。ちっ。いつかリベンジする日もあることであろう。
 予定があるという二人が抜け、丸善の店内で新たに一人が合流し、丸善4階の喫茶室になだれ込む。ハヤシライスで有名なとこです。かなり広々してシックな内装で感じのいいところです。飲み物はそれなりのお値段だけど、ケーキセットとか甘味物の値段はまあ普通。サービス量として底値が高く設定してあるのかもしれない。私は抹茶わらび餅ソフトクリームをオーダー。抹茶とソフトクリームは合わなくもないんだけど、この組み合わせだとやはり黒蜜が欲しいなという味であった。
 その後丸善4階の輸入書籍/ステーショナリーその他コーナーを渉猟。いやあ面白いっすここ。ちょっと高級な大人向けのアイテム(淫靡な意味に取らないように)がてんこもりで、いつまででも遊べます。Namikiの万年筆とか、とても買えないけど眼福な代物を眺めたりなぞして(いやでもくれるって言われても困るような物も;)ついでにかねてから迷っていた輸入物の猫トランプを購入なぞしていると、もう飲み屋が開いている時間。
 OAZOを出たところで一人が別れ、東京駅地下街を抜けて一人の行きつけの居酒屋へ。日本酒とお豆腐料理その他の美味しいとこだったのだが、でも平均年齢が40歳を越えるこの集団では、地下街を抜ける間にぶーぶー言い出すのがなんだかだ。「黒塀横町」とか「ラーメン激戦区」とか「王様のアイデア」のウィンドーなんか見るとつかまっちゃうし。
 でも酒肴が美味しかったので良しとしよう。
 場合によっては終電を見送って徹夜宴会かっ、などという恐ろしい話もあったのだが、みんな年も年なので一次会だけで大人しく散会した。
 でも久しぶりに歩き回って、翌日は脚がへたっていたのだった。侮り難し本屋。

 ところで「OAZO」とは「エスペラント語で『オアシス』」と書いてあったのでそうだと思っていたら、幹事/主催から「ほんとは『丸の内から大手町のA to Z』なんだよ」と言われる。
 ……どこまでほんとなんだ……?