「ハウルの動く城」

 雪降りの冷え込みに後込みしかける気持ちに喝を入れ、夕刻からでかけて映画。
 さすがに宮崎作品、絵と動きは見事でございます。ストーリーに関して色々言う声はあるようですが、私はそれほど問題があるとは思いませんでしたな。確かに戦争の事とかハウルが度々出かけてはしてることとか、一々説明はないのだけど、それは結構匂わされてる事から脳内保管できる範囲だし。あの尺とテンポで見せるなら、コマコマした説明はむしろ邪魔かも。
 でー、なんで手放しで絶賛してないかというと、なんとなくドラマ性が薄いような気がするから、かなあ。確かにどきどきわくわくしたのだが、泣くような衝撃とか重たい物ではないような。思ったよりハウルの描き方も軽かったし。(実際パワフル濃厚な女性陣に比べて薄いですな、ハウルのキャラクターって)まあ映画一般としたらかなり高レベルにあるのは確かなんで、宮崎作品だと言う過大な期待を寄せ過ぎていたのかもしれないですな。
 ただ、意外に印象に残らない、などと思って帰宅したところ、後になって不思議な事にぽつぽつと映画の断片を思い出してしまった。やはり何か、表層に出てこない擦り込みの力があるのだろうか。

 お話はね、「女の子が恋を知って開き直りを知ってお陰で他人の誑し方を身につけるまで」と言う話だと思う。私の解釈では、ですが。
 結局皆誑しちゃったってことだよなあ、あのラストは。