Winny裁判関連

 id:oono_nさんのとこへ長文コメントしてしまったので、詳細/続きはこちらへ。
 有能なソフト開発者だけに惜しいと思いつつ、私が件の東大助手金子氏に同意できないのは、Winny製作・配布に「まず変革ありき」という意図が見えるから。
 道具に罪はない。ただ、この場合開発者には明らかに違法行為を助長する意図があったと感じますね。道具自体に罪はないからこそ、使い手の意志が問われるのでしょう。現行の著作権法のシステムを変えたい、いう志は良しとしても、そのために法を破ったら、それはただのテロです。
 製作者本人が破ったわけじゃない、というのが裁判の争点のようですが、それはそういう用途に気付かなかった迂闊さなのか、それとも自分の手を汚さない狡猾さなのか。私はどうも後者のように感じているのですが。
 無料でデータ変換することが当たり前な世界を夢見るなら、それが実現したときに何を得て何を失うか、現在のシステムが何を守っているか、ということをちゃんと把握した上でなければだめでしょう。偉大な改革を為した革命家は讃えられるかもしれないが、功績を上げるその足下で踏みつぶした者があれば、一方では憎悪と憤怒の対象にもなる。それをこの方がちゃんと自覚していたとは思えないです。
 もし私が寡聞にして知らないだけで、この方が無料データ交換の一方で想定していた「著作者の労力が正当に報いられるシステム」があるというなら、それをこそ社会に知らしめて欲しいものです。本当に、犯罪にならず著作権者も損をせずに気軽にデータのやりとりができる可能性があるのかもしれない。
 でも、「とりあえず破れ、蹴飛ばせ」じゃあねえ。そうでないためには、様々な状況に対応できる明確なヴィジョンが必要なのじゃないですか?

#参考:特許法32条
公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明については、第二十九条(新規性、進歩性の要件)の規定にかかわらず、特許を受けることができない。」
 でも調べてみたら自慰用アイテムの特許出願なんてのはちゃんとあるんだな。個人的に使用する分には風俗・公衆衛生を害する物じゃないからか、それとも審査されたら却下になるのか。