承前・もちょっと回転扉

夜のニュース番組で続報を見ていたら、ああいう回転扉は、ビル管理側にメリットが多いらしい。外気が一気に吹き込まないので省エネ効果があるとか、ビル内の吹き抜けに強風を吹き込ませないで済むとか。
それと、さすがにこれは欧米等での従来の例で考えられなかったんじゃ、と思ったことには、この回転扉、可動部分の総重量は2トンだか3トンだかになるらしい。回転方向への力がどの程度になるか、という問題もあるが、そんな質量が掛かったら、ゆっくり動いてたとしてもかなりの割合で人間の方が潰れる。
従来問題なく回転扉を造って使いこなしてた人々も、こんな巨大な構造に発展するとは予想外だったんじゃなかろうか。
ちょっと怖いから注意しなきゃ行けないけど、挟まれたとしても回復できないほどの大怪我をするほどの物じゃない、というのが従来だったんじゃなかろうかね。
でも新しい物の問題点に気付くのは、大抵犠牲が出たあとなんだと思うとやりきれない。
とりあえず、新しい物を造って動かす前にはバグ取りをしよう、製造業者。しつこいくらいに。ほとんどありえないだろう、というケースまで考え抜いて、試験条件を考える人間の数も種類も充分注ぎ込んで。同じ物をずっと見てる人間には、気が付かないことがきっとある。いや必ずあるのだろう。
あの回転扉を造った人々には、センサーの死角からちょろちょろ出入りする子供、という要因は見えていなかった。もしかするとそういう人々自身、家に帰れば自分の子供の悪戯に手を焼いてたかもしれない。それでもそういう体験が、自分達の造る製品と全く結びつかないこともあるのだ。