回転扉

また汐留に行ってみたら、カレッタでもCity Centerでも、ビルの入り口の回転扉は回転を止めた状態のまま、中央部分を普通の自動ドアにして使っていた。
なんだ、そういうこともできる仕掛けなんじゃないの。いやこういう大型回転扉の全部がそうじゃあないんだろうけど。

言うまでもなく,26日に六本木ヒルズで起きた死亡事故の影響なのだった。
今さらだけど、正直言ってニュースを聞いたとき、「ああやっぱりこういう事故が」と思いましたよ。
だって、実際大人でも怖いでしょ、ああいう大型の回転扉って。スリリングで楽しい,と思える余裕のあるときもあるけど、歩く速度を扉に合わせなきゃいけないし。体が弱ってて一緒に回りきれなかったら、どこかを挟まれちゃうかも、という不安は、背中のどこかに張り付いていたりして。
だからああいう人通りの多い、人混み慣れもしてない老若男女取り混ぜて行き来するところに、ああいうちょっと注意の要る構造を置くのはどうかと思っていた。
回転扉というやつには、見た目がちょっと目新しい、と言う以外に、何か設置のメリットがあるんでしょうかね。私はちょっと思いつかない。
それにドアがセンサーで止まるようになってたとしても、ビルの周りに強風が吹き荒れて、風車みたいなあの構造に風圧がかかっちゃう、なんてことも珍しくないし。危ないからって、わざわざすぐ近くに管理関係の人を置かなきゃいけないような物を、日常的に使う前提,というのからして分からない。
昨夜のニュースによると、あの事故のあった回転扉は、地上15〜80センチの間だと、人が通った事をセンサーが感知できない仕組みになっていて、小さな子供が頭っから突っ込むようなケースを想定してなかったらしい。
森ビルってのは基本的にオフィスビルだから、その程度でもいいと思ったのかもしれないが。実際にはスタバ等の店鋪も入ってるので、一般客も出入りできる部分が多いし。
いやもしかすると、メトロハットから上がってすぐ正面にある、一番人通りの多そうな回転扉も同じものなのかもしれないけど。
「小さなお子さまは手を繋いで」とアナウンスしていた、という話もあるが、手なんか繋いでられねえ、という、ちょっと大きくなった小学生くらいが、実は一番あぶないんだってば。大人の目の届くとこにばかりはいないし、かといって周りの危険がちゃんと分かるほど抑制は効かないし。
考えれば考えるほど、あの回転扉というやつは、「こんなとこでふざけ回るしつけのなってないガキは、挟まれて痛い目に遭え!」という意図の元に設置されたように思えてくる。
もしそうだとしたら、正直言って設置の理由は分からないでもない。人混みではしゃぎまわる子供達に、「このクソガキャ」と思った事くらいはあるから。
でもいくらなんでも、死者が出るまで放っとくこたあないだろうに。死んじゃったら礼儀を学ぶも何もないもんだ。
それに子供本人だって親だって、こんなたくさん人が出入りするとこが、そんな危ないことになってるとは、普通思わないよなあ。なんとなく「怖い」感じは抱いたとしても。
だからちょっと、ああいう回転扉の設置を決めた人に聞きたい。あれには一体、何のメリットがあるんでしょう?