作詞家・作家の阿久悠さん死去「UFO」「北の宿から」

「北の宿から」「UFO」など戦後歌謡史を彩る多くの名曲を送り出した作詞家・作家の阿久悠(あく・ゆう、本名深田公之=ふかだ・ひろゆき)さんが、1日午前5時29分、尿管がんのため東京都内の病院で死去した。70歳だった。

 思えば私くらいの世代にとって、幼少〜少年期に耳に馴染んだ歌謡曲には、この方の歌がごろごろしてるんである。
 享年七十というといくらか早いお迎えという気はするけれども、考えてみれば世間一般には、それほどとんでもなく早いというわけでもなし。いつの間にかそれだけの年月が経っていたということなのだろう。
 この方のヒット曲の多くは既に懐メロになっているわけだけど、これだけ定着したものはもうなかなか消えないんだろうな、と思う。今後、阿久悠の名もピンクレディーの存在さえ知らない世代がテレビ番組を作るようになったとしても、ワイドショーでUFO騒ぎを取り上げる、なんてえ時にはきっと「UFO」が流れちゃうのだ。あんな歌作ってヒット曲にしちゃう人なんてそうそういるもんじゃないのだ。
 そう思えば、これまで何となく私たちが感じていた以上に、偉大な方だったのでありましょう。魂の安らかならんことを。