切腹羊羹

 映画を見たショッピングモールに充実した駄菓子屋があったので、映画までの時間待ちに色々懐かしくもみょーな菓子類を買う。セコイアチョコレートとか。オレンジシガレットとか。子供の頃あんまり買えなかったのが、ここらに来て反動が来ているような気がするのだ。ちなみに梅ジャム付きソーダせんべいなんてのも探したが、この店にはそれらしき物はなし。(もうちょっと大きいので、梅ジャムなしのならあったんだけど、保留)
 切腹羊羹、というか風船羊羹、と呼ばれる物もその一つ。要するにゴム風船の中に丸い羊羹が作られているわけだが、実はこれ、うまく出して食べられた試しがない。
 ぷつ、と穴をあければそこから破れ目が広がってひとりでに出る、と言われているが、実際にはなかなか広がってくれないのをいじりまわしているうちに、そこら辺に転がり出てしまうのだった。
 実を言えば今日もやってしまった。ち、ちくしょう、服やラグにべたべたした汁がっ! 次は負けねえぜ!
 ――と、思ってまた買ってしまいそうなワタクシは、色々本末転倒しているかしら;
#追記:「切腹羊羹」という呼び名はどこで知ったんだったかと思っていたら、どうやら百鬼園先生であったそうな。この↓短編「蜻蛉玉」に出てくるのだが、私はむかーし、この作品をテレビの朗読番組で聞いたことがあって憶えてたんですな。

蜻蛉玉―内田百けん集成〈15〉 (ちくま文庫)

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