アメリカの良心


 ブッシュ米大統領は8日、前日投票の中間選挙を受けて記者会見し、ラムズフェルド国防長官の辞任を発表した。好転しないイラク情勢の責任を取らせた事実上の更迭。後任にはロバート・ゲーツ元中央情報局(CIA)長官を指名した。中間選挙について「共和党を代表する者として大きな責任がある」と述べ、同党の敗北を認めた。注目の上院選(定数100)の開票は、未確定だった2議席のうち、民主党モンタナ州を制し、同党系無所属を合わせ50議席を確保した。残るバージニア州についても、AP通信など米主要メディアは、民主党候補が勝利したと報道。上下院で民主党が多数派を獲得することが確実な見通しになった。

 かくて米国民の良心は健在であることが証明された。
 米国の良心の問題点は、お尻に火がつかないと表に出てこないことくらいだ!
 でも、まだしもここで出てくれて良かったというところだろう。もっと早くてもよかったのにと言い始めるときりがないし。
 しかし米国の制度では、大統領は簡単には交代しないのだった。せめて議会と閣僚が変わるくらいか。


 ブッシュ大統領中間選挙の遊説で連日、ぺロシ氏を取り上げ、「民主党が下院で多数派になれば、彼女が議長になってしまう」と保守派の危機感をあおってきた。これに対し、ペロシ氏は大統領を「危険人物」「裸の王様」などと切り返し、「天敵」関係にある。
(中略)
 ぺロシ氏は選挙戦で民主党が多数派になった場合、07年1月の連邦議会開会後「100時間」で最低賃金の値上げや米同時多発テロ報告書の完全実施、大手石油業界への税制優遇措置の撤回などに関する法案を通過させると公約。「リベラル色の突出を避け、穏健な内容を強調して党内融和に配慮している」という見方もあり、手綱さばきが注目されている。


 クリントン大統領が就任した93年、CIAを退官。02年からテキサス州のテキサスA&M大学長として務める傍ら、共和党のベーカー元国務長官民主党のハミルトン元下院議員が率いる超党派の「イラク検討グループ」に参加し、イラクを訪れ同国指導者らと会談し現地調査も行っている。
 CIA時代に民主党を含む6代の大統領に仕えたほか、同グループ参加で民主党とのパイプも持つ。ブッシュ大統領とは家族ぐるみの付き合いという。

 まだ双方とも、穏健な方向から打開策を探るというあたりなのかな。(じわじわと)
 お手並み拝見――とはいえ、今現在もイラクの泥沼が続いてると思うと、あんまりゆっくりしてられても拙いんだけどね。