ホラー映画より
深い森の中に、突然響き渡る人工的な音。いくらかくぐもった一つの音が、長く長くいつ果てるとも長くあたりの空気を震わせる。
ああ、そういえば高台に小さく見えたあれは、スピーカーであったのか。そう思って顔を上げると、木の枝から下がった紐状の物が顔に付きそうになり、慌てて飛び退いた。
ねっとり伸びた軟体動物は、響きに合わせて細かく震えているように見えた。
サイレンと蛭
映画を見に行くことはまずないであろう。角川ホラー文庫のノヴェライズはどうしよかなと思っている。牧野修作品だし。
- 作者: ポーラエッジウッド,Paula Edgewood,牧野修
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/06
- メディア: 文庫
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