ホラー映画より

深い森の中に、突然響き渡る人工的な音。いくらかくぐもった一つの音が、長く長くいつ果てるとも長くあたりの空気を震わせる。
 ああ、そういえば高台に小さく見えたあれは、スピーカーであったのか。そう思って顔を上げると、木の枝から下がった紐状の物が顔に付きそうになり、慌てて飛び退いた。
 ねっとり伸びた軟体動物は、響きに合わせて細かく震えているように見えた。

サイレンと蛭

 映画を見に行くことはまずないであろう。角川ホラー文庫のノヴェライズはどうしよかなと思っている。牧野修作品だし。

サイレントヒル (角川ホラー文庫)

サイレントヒル (角川ホラー文庫)