自由が丘で散策中に引っ越し先を決める

 という夢を見る。勿論現実には引っ越しの予定はなく、その場所も「自由が丘」ということになっているが勿論虚構の「自由が丘」なのだった。
 傾斜のきつい坂道の途中にある女性向けの小物雑貨店に入ると、そこをやっている同年輩の女性が不動産も斡旋している、この上の部屋が空いているというので(なんだそれ、と思うが、不動産屋が別の普通の商店と兼業という店舗はどっかで見た。雑貨店ではなかったと思うが)見せて貰っているうちにとんとん拍子に話が決まる。その雑貨店の女性が、控えめな容貌と態度ながら応対がしっかりしていて感じが良かったのだった。彼女はまだ乳児の女の子を抱えていて、ダンナさんが居る様子はない。シングルマザーか、大変だなあ、と思いながら家具の配置などを考えるが、どうもそれは空き部屋に入居というよりも、彼女をはじめとする住人の居る共同生活に私が加入するというスタイルらしく、既に使われている部屋に私の荷物を押し込むらしいのだった。
 目が覚めてみると、その女性の印象や朧気ながら顔立ちも憶えているのだが、どう考えても全く会ったことのない人なのだった。しかも夢の中の私は、本棚を新居に入れることは気にしていたが、猫のことは全く思い出さなかったのだった。
 どうということのない夢ではあるが、なんだこれ、としか言いようがない。