そういや、こんなサスペンスSFを

 朝方の夢で、ハリウッド製ホラー・サスペンスSF映画らしきものを見た。
 舞台は現代の米国の普通の街中のある家庭(多分。日本人から見たら家は格段に広い)なのだが、そこに2体ばかり、ヒトを取って喰うエイリアンが混じり込んでいる。彼等は自分が見たことのあるあらゆる人間に擬態することができ、見た目だけでは普通の人間と全く区別がつかない。彼等がヒトを喰うときは、口からではなく、腕を伸ばして抱き寄せるようにすると、ヒトに触れた部分が細かく放電したようになって輪郭がぶれていき、抱え込まれたヒトは彼等の体内に取り込まれてしまうのである。
 しかしエイリアンも、獲物を腕全体で抱えないうちは喰うことができないので、襲われたヒトが手先を捉えて抑えていれば、当座は彼等の動きを抑えられるのだった。(腕力もヒト並らしい)それから、彼等はメントール系のある種の軟膏の臭いに弱く、鼻先にこれを突きつけてやると、一瞬だが苦しがって避けようともがくのだった。
 そんなわけで登場人物達は、日常生活を送りながらも、自分の周りの誰がエイリアンなのか? 捕まえられそうになったらどうやって逃げるか? というのに神経を磨り減らすわけである。
 で、一人の中年女性(容貌はくたびれているがタフで機転が利く、というキャラクターらしい)が、知人の若い女に化けたエイリアンと手を掴み合いもみ合いになりながら、あわやというところでメントールを嗅がせて逃げる――と、いうところで目が覚めた。彼女があの後無事逃げ切れたかどうかは知りようもない。
 間近で見られる結構な臨場感だったのだが、幸か不幸か登場人物は全て白色人種ばかりであった。まあ、追いかけられる側にならなくて、良かったけど。