東京都美術館にて「アール・デコ展」

 わあもう終わっちゃうじゃないよ、と気付いて、暑い中を慌てて行って来たんである。
 行ったのはいいんだけどね、実は、最終入場時間ぎりぎりに着いてなんとか入ったものの、三階分に及ぶ展示を30分で見ると言うばかな事をやっちゃったもんで、なんというかなさけなく勿体ないことである。いや実は当初あきらめかけて、とりあえず今日は図版だけでも買えないかなと思って行ってみたらまだ入れると言われたもので、明日もまた上野まで出てくるのも面倒だし、というんで勢いで入っちゃったのだった。
 ま、なかなか面白うございましたよ。アール・デコとはなんぞや、と改めて訊かれると答えられない程度の理解ではあるけど。(実は美術関係者の間でも、スタイル自体についての明確な定義はないらしい)こうやってまとめて見せられると、ラリックあたりはかなり叙情的なデザインでも、ガラスに手をつけた時期以降の物はもう全部デコなんだろうな、と思えてくる。(これはガレあたりと比較して見てるせいもあるかな)
 しかし、あんまりにも対象を広げ過ぎたんじゃないか、という印象もなきにしもあらず。まあ共通のスタイルを示すためには面白い試みではあるのだけど。
 ともかく、楽しんだんだけどもそれだけに却って、あれはゆっくり腰据えてみるべきものだよなー、と思うことしきり。ま、いいんだ図版は買えたから――って、なんかこの図版、細かい物の写真の解像度があんまり良くないような気がするなあ。そう思うのは多分、別の展示会で見たことのある宝飾品(ヨーロッパの400年展とかそんなんだ)が出てたせいだけども。