人間の手がまだ触れない
ES細胞による医療の可能性に期待している欧州諸国は反発してるそうだけど(日本でも反発する研究者・医療関係者は多そう)、あんまり急いで進めない方がいいとも思うのよ。遺伝生理の根幹に関わる技術だろうから、利益と同時に危険も悪用の可能性も高かろうもの。
全ての薬は、生体に作用するからには使い方によっては毒でもあるし、従来にない治療や制御法を使うということは、従来にない生活を選択すると言うことにもなりうる。技術本体は悪でも善でもないけど、施用者・使用者が影響をどのくらい/どのように理解把握してるかによって、良くも悪くもなるのだろうと思うね。
いつかヒトクローン技術も普通の町の病院で普通に使われるようになるかもしれないけど、今焦って進めると、余計な思惑や疑念やらをぼろぼろ生むんじゃなかろうか。
ヒトはもはや無垢の楽園には戻れないのだが、奈落への道を急ぐこともなかろうとね。
ちなみに標題をタイトルとするロバート・シェクリィ著のSF小説は未読。医療の話でもクローンの話でもないそうだ。
- 作者: ロバート・シェクリイ,稲葉明雄
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1985/12
- メディア: 文庫
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