「熱帯」読了

 矯めつ眇めつ行きつ戻りつしながらようやく読み終わったのである。

熱帯

熱帯

 これね、どうも記憶のどこかを刺激する所があるなあ、と思っていたら、どうやらこれは――赤塚だ。
 だから私の脳内では赤塚不二夫の絵で再生されているのだった。(支部長達はおそ松君、みたいに)
 ただし、CIA工作員ホルへ・バレーラ視点の部分だけはハードボイルドなんだな。ここだけさいとうたかをプロとか、原哲夫あたりの絵柄で。
 ――いやいっそ、全編魔夜峰央で漫画化とか、どうだろう? ギャグもハードボイルドもいけるし。(すると水棲人達は「巻き毛のかわいいバンパネラねずみ」みたいな顔つきか。点目に菱形口の)

 ……と、考え始めたら、思い出すたびにそれぞれの場面が魔夜峰央タッチで脳内再生され始めた私なのだった。多々利無運に掴まれ揺すぶられ氷を背負わされる四頭身スタイルの支部長達や工作員達が――とか。