湾岸の新春

 晴れてあたたかいお日和で、まず昼前に初詣でのリターンマッチを済ませる。おみくじを引いたら大吉であった。ほほほほ、そうでなくては。
 それから東京湾岸へ猛禽を見に出かける。ビルの頂上からの急降下はやらなかったが、むちむちした肢体と優美な動作を堪能したので良しとする。猛禽は胸と腿の当たりのラインが猫に似ていると思う。無駄のない筋肉ってこういう物か。
 日が傾きはじめると風が冷たく、体を温めるのに何か飲み食いしようというのでビル街に戻り、新興の秘密結社と噂の高い(そういうことを囁くのは主に私だが)「煮汁貯蔵帝都」で一服した。この結社が全国展開するか否かについて検討したところ、可能性は否定しないものの、関西への展開には価格設定を見直さなければなるまいという結論に達する。
 それからビルの最上階に上がり、湾岸地域を見下ろしたのであった。快晴の天候の下、今日は対岸の千葉までくっきりと見渡せたのだった。対岸の煙突等が見わけられるのでパースが狂って、東京湾本体も手前の川や運河とそう違わない幅のように見えるのだが、本当はあれはずっと先にあるんだよなあ、と思うと妙な感じがするね。