嫡出子のジレンマ

英国:ヘンリー王子のイラク派遣中止 陸軍「危険」認める イラクの治安悪化象徴(MSN毎日インタラクティブ)

 チャールズ英皇太子の次男で陸軍士官のヘンリー王子(22)のイラク派遣中止について、英陸軍のダネット参謀長は16日に記者会見し「ヘンリー王子に対する直接の危険を見過ごせなくなった」と理由を説明した。武装勢力の攻撃目標となる恐れを考慮した結果の派遣中止は、イラクの治安悪化を英軍が認めることにもなり、国内世論に複雑な反響を呼んでいる。
(中略)
 英メディアでは最近、イラク武装勢力がヘンリー王子殺害や拉致を狙っているとの報道が相次いだ。BBC電子版は、イラク南部バスラに従軍して死亡した英兵士の父親が「私の息子やイラクで戦死した約150人の英兵よりも、ヘンリー王子の命がより価値があるということになる」と批判したと伝えた。

 ノブレス・オブリージェてのは高貴な人が進んで犠牲を払う精神だけども、さすがに命までは捧げられない、というあたりがこの問題のポイント。次男とはいえ第三位王位継承者だし、まだまだ人気があることからしても当分英国王室は存続するだろうし。
 ていうか。死の危険のあるようなところへ派遣するようなことを続けてちゃいけないってことだな、普通の英兵の若者であれ、王子様であれ。英国だってブッシュは嫌われてると聞くし、イラク派兵を決めたブレア首相だって秋には退陣するというし。
 もうね、米軍支持とか言ってないで、良い機会だからみんな引き上げればいいですよ。だってイラクは内戦状態なんだもん、と言うなら、国連軍として治安維持と調整だけにあたるように、国連の枠内で派遣すればよろしい。この期に及んで自分の手の内に収められると思ってるブッシュ政権の認識がよくわからないですな。
 ほんとにまともな国際貢献なら、民間人だって王子だって送れると思うんですけどね。まあそういう問題がはっきりしただけ、今度のヘンリー王子の件は良かったのかも知れませんが。

#ちなみにこの項のタイトルは英国王室に庶子がいるとか考えたわけじゃなくって、「ヤマアラシ」にひっかけられる言葉を探してみただけっす。「し」しか合ってないけど。