「夕凪の街 桜の国」映画化のことから
日本人にしか描けない“被爆”。「夕凪の街 桜の国」(eig.com)
映画になるという話は前にどっかで聞いてたのだが、調べてみたらもう撮り終わってるのね。来年夏公開というのは、やはり原爆忌に合わせるのか。
原作とはそれなりに違う物になってるんだろうけども、そこでどういう風に解釈・修飾を加えているかというのも気になる。
遅ればせながら原作はごく最近読んだのだった。短い作品で淡々と描かれているが、読んでいるとがーがー泣く。
- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2004/10/12
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ただ、こういうご時世でふと思うのは、もっと酷い状況で爆撃が行われて、その都市の生活がその後もなかなか復旧されなかったら、蝕まれている状態を当たり前のことと受け止めて生きなきゃならなくなるんだろうということ。
実際アフガニスタンあたりには永いこと平和というものがなくて、身近な人が次々に死んだり、傷ついたり苦しんだりする生活を受け入れさせられたと聞くし。あるいは、原爆や戦争のような大規模な攻撃によるものではないけど、北朝鮮の普通の国民生活なんてのも、長い窮乏でじわじわと酷いことになってるんじゃなかろうか、などと。
あの国に攻撃されて死んだり傷ついたりするのも厭だけども、あのあたりでは既にろくでもないことが進んでいる気がして、やるせないことだ。
「戦争はいけません」と言うだけでは世間知らずで能天気な理想家と鼻で笑われるかもしれんが、それでも回避する努力をしてくれと思う。「悪い奴をやっつける正義」なんてぇ華々しくかっこいい男の子の夢は、現実の世界にはどこにもないしね。
でも都合の良い夢に浸りたがる小児が、各国の権力者に結構居るような気がするんだな……