頭突き問題一夜明けて

 マテラッツィが暴言をどうの、の方が問題になっていて、すっかり世論はジダンに同情的。
マテラッツィ「テロリストと言ってない」(スポニチ)


W杯の決勝で、イタリアのマテラッツィ選手が、フランスのジダン選手に「テロリスト」と言ったとの報道について、マテラッツィ選手は10日、帰国の機中で「言っていない。それはうそだ」と否定した。ANSA通信が伝えた。
 マテラッツィ選手は「僕が『テロリスト』とか、イスラム教徒について話したということになっているのか。だいたい自分は物を知らないので、何をテロリストというのかも知らないぐらいなんだ」と話した。
 その言い訳は言い訳で恥ずかしいような気がするが。
 まあ暴言の内容によってはそれだけでこちらも一発退場処分ですからね。人種差別問題に関しては特に。

 また、11日付英タイムズ紙は読唇術の専門家の話として、マテラッツィ選手がジダン選手のことをイタリア語で「テロ売春婦の息子」と呼んだ上で「くたばれ」と言ったと伝えた。ジダン選手はイタリアのチームに所属したこともありイタリア語が分かる。フランスのサッカー協会関係者は大衆紙サンに「母親を侮辱することはトラブルを呼ぶようなものだ」と述べた。
 女性の貞節の感覚が殊更に強いイスラム教徒に対してこれは一層侮辱的な発言なわけだけども。
 でも何を言われようとも、ピッチで手を(頭を、だが)出しちゃいけないのだ。人種差別だろうとセクハラだろうと身体的特徴をあげつらわれようと、誰にも知られたくない秘密を曝露されようとベッドに誘われようとも。(自分で書いててなんだかなあと思うけども)サッカーのルールとしては。
 とはいえ。本当にこういうことを言われたなら、ファンは理解してくれるんじゃないだろうかね。カップは獲り逃そうとも、人間的には。
 しかし逆にマテラッツィとイタリアチームにとって後味の悪い展開になってますなあ。このくらいの嫌味は戦略のうちなのか、イタリアサッカー界では。ジダンもイタリアでもやってたはずなんだけども、ワールドカップともなるといじわるは世界級だったのか。