起立せぬ親と来賓調査 君が代 式典で徹底図る(東京新聞)


 埼玉県戸田市の伊藤良一教育長が今月十三日の市議会で、同市立小中学校の卒業式や入学式の君が代斉唱の際に起立しない来賓や保護者について「はらわたが煮えくりかえる」と答弁、調査する方針を示していたことが分かった。伊藤教育長は十九日、本紙の取材に対しても起立しなかった来賓の氏名や人数を調査する意向をあらためて表明。起立の徹底を図ることを明らかにした。
 あのう。とりあえず、学校で日の丸掲揚・君が代斉唱を指導することの是非は置くとしても、これは教育長個人があんまりにも極端じゃなかろうか。
 「はらわたが煮えくりかえる」って、そらどう感じようと個人の自由だけどさ、自分で呼んだ来賓なんでしょうに。それに保護者については、教育長の権限でどうこう言える立場ではないわな。むしろ個人的な感想であろうとも、他人の主義や感覚を攻撃することが是とされる立場じゃあない。
 どうも、自分の職業上の目標や権限をはき違えてる気がするね。人数調査するったって、そのデータどうするんだろ。来賓はともかく保護者の不起立人数なんて改善しようもないだろうし。人数だけじゃなくて個人名まで調べて文書データにしたら、それこそ個人情報として扱いに困るんじゃなかろか。
 これこそ贔屓の引き倒しというか。日の丸・君が代制度化推進派の人々が一般にこういう感じなんだとしたら、日の丸・君が代そのものが大変に素晴らしくとも、あんまり賛同したくないんだけど。