金スマを見ていたら

 匿名希望の視聴者が語るコーナーで、元は飛行機の客室乗務員だったが、日本でも屈指の心臓外科医を射止めてセレブ婚を達成したという人妻が出ていた。
 旦那さんは評判が高いだけでなく、同僚からも患者からも信頼され、女性達の憧れの的でもあり、また遠からず大学病院の教授職に就くであろうと期待されているというのだが。
 実は彼女は、旦那さんが教授になるために、世間に必死で隠している事があって。それというのも、仕事はクールにこなす旦那も、家ではぬいぐるみを手放さず、にゃんこ言葉で話すというのだそうな。
 ――そんなんで教授になれなくなるのか、世の中は? どう考えても私には、奥方が必死で隠す程の事とは思えんのだった。
 だって、ぬいぐるみや人形を伴ってにゃんこ言葉や幼児語ではなしたり、ぬいぐるみとお話ししたり、という成人男性は、世の中に結構いるじゃないですか。とりあえず、私が直接面識があるだけでも二人はいる。面識はないけどそうだと聞く特定の個人なら、その他に2、3人はいたはず。
 あ、それとも、お医者と言う職業がそういう趣味を許さないのかな? でも番組の中では、難しい手術の前には愛用のぬいぐるみ猫さんとお話しして、手術中には見守っていてもらう、ということも出ていた。と、いうことは、病院の同僚達には既にそーゆー方だと言う事は知れ渡ってるんじゃないだろうか。
 どう考えても、今さら奥方が隠して回るほどの重大事ではないんだが。世の中そういうもんじゃないんだろうか?;