ロイヤルウェディングだそうで

 紀宮内親王改め黒田清子さんの降嫁の日とのことで、ニュースはまずそればっかりである。(そういや米国から誰やらが京都に来たとか言ってたようだが、まあ、それはそれ)
 あんまり右よりの人ではないが、私もとりあえず良かったと思うことである。最近おめでたいニュースもあまりなかったしね。
 そういえば身近で、「左だけど見てしまう」という声があって気が付いたのだが、それはそれで実は正しい態度ではなかろうか。皇族が一人減って普通の日本人一般市民が一人増えるわけだから、皇室廃止論者にとっても長い目で見ればめでたいことであろう。(もっとも一民間人となった今後も当分警察も警備を続けるそうで。降嫁しても天皇皇后の愛娘には違いないのだからそれも無理からぬ事だけど)
 考えてみれば、あの方々には憲法で保証される基本的人権はないのだった。衣食住に不自由することはないんだからいいじゃないか、という見解もあろうが、職業選択の自由が生まれたときからないのは酷い話かもしれない。
 自由に行動することも発言することも許されない、というだけなら、国家の要職にある政治家や有力な財界人等、他にもそういう人々はいるわけだが、その場合は多少に関わらず自分でそういう立場を選んでいるはずだ。内親王改め黒田夫人の場合、立場が変わることで大変だろうとは思うけれども、結婚という形で戸籍と人権を手に入れたことは良かったと思う。(逆に言や、結婚しない限り人権もないというのはどうよ、と思わないでもない)
 そこで、今取りざたされている皇位継承問題を考えると。女系・女性を容認するかどうかはほんとはあんまり重要なポイントじゃないんじゃないかなあ、などと。要は、なりたい人がいたらなってもらうように制度の方を変えるのがいいんでは。
 女系・女性天皇を避けるために、戦後なくした宮家の血筋から男系の男子を選んで継承者になってもらえば、という声もある。実際、そういう方が何人かいらっしゃるというなら、その中で「なってもいいよ、天皇」と言う方(当然自分の意志で決められる成人で)を募って、現在の皇位継承者リストの最後に加えればよろしい。
 ――と、ここで気が付いた。「皇室典範に関する有識者会議」で結局「女性・女系天皇容認」ということになったのは、実は旧宮家の中にも誰も希望者がいなかったということなのか?; あるいは、希望者を募るにしても、多少に関わらず「誰か人権を返上して人身御供になれ〜」という圧力がかかりかねない、と懸念してのことか?
 どちらにせよ、結論が出る前に訊いてみたいと思うけどね。「男系の男子」への継承を堅持した場合、問題の「当事者」になりうる人々の見解を。――でもこの状況だと、それを訊ねることさえ変な圧力になりかねないだろうか?