ウォーリーはどうした

 何のことかと言えば米国ハリケーン情報である。
 そろそろ涼しくなって熱帯低気圧も衰えてもいいはずなんだけど、なんだかいつまでも盛大ですな。
 今度も女性名で、名前はウィルマ。竪琴でも弾くんか「水島、日本へ帰ろう」とか言われて。それはビルマ。(このネタもう使えないのかなあ、今や「ミャンマー」だし)

 しかし現場は笑い事じゃないのである。

米ハリケーン:「ウィルマ」史上最強に 最大風速78m!(Mainich INTERACTIVE)
米ハリケーン:「ウィルマ」警戒 22日フロリダ州上陸か(Mainich INTERACTIVE)

(前略) 同局はウィルマが「カテゴリー3」か「4」の状態でフロリダ州に上陸する可能性があるとして警戒を呼びかけている。フロリダ州のフロリダ・キーズ諸島では、旅行者など非居住者に対して避難命令が出された。すでにカリブ海のハイチでは、暴風雨による洪水や土砂崩れなどで少なくとも11人が死亡している。

 また大規模に避難命令ということは、また車の列とか移動したはいいけどガス欠とかいうことが起こると予想されるわけで。なんにしてもまたガソリン価格は上がるんかな、などと。

 そういや最近例の「水からの伝言」について語る掲示板で知ったのだが、著者の江本勝氏が「世界の水友達へのメッセージ」と題して「水の神さまである竜が怒って暴れた結果である(大意)」といった内容の文章を発表してるのだった。(興味がある方はぐぐってみてください。転載許可つきで発表したものらしく、ネット上にいくつか掲載されてます)
 う、うううむ。「水からの伝言」掲載の実験のお粗末さは置くとして、水に何か未だ解明されていない力があると信じる人がいてもいいとは思う。(人に押しつけがましくしない限りはね)でもハリケーン被害についてこれは拙いんじゃないか。拙いというか酷いというか。
 いや実際、地球温暖化の影響とか、人類のやらかしたことが原因なのかもしれないけども。(それが「水への敬意を失った」ということかどうかは当面置いとこう。議論すると長くなるし論点がぶれるだけだし)でもそれを、安全にぬくぬくしてる人間が被害者に向けて言うのも傲慢な追い打ちというか、虐めにしかならないんじゃ。
 だって、仮にハリケーン津波などが「怒り」という感情というか人格のある存在の意思とするなら、それは災害被害者にとっては「いきなり現れて家財や街を壊して家族とご近所を多数死傷させたヒト」にあたるんで。そんなものに「お前等が不心得だったからだ」と言われても、恐れたり怯えたり恨んだり憎んだりこそすれ「あなたは愛すべき、尊敬すべきヒトだ」と心から思えるか?
 まあそれ以前に、考え方自体が根本的に間違ってるという気はするのだけど、まだ解明されていないことや不確かな伝聞情報については置いておこう。
 ともあれ、「水からの伝言」等で示された現象が真実だとしても、この江本氏の文については、これに賛同するのは、非常に傲慢で狭量で危険だと感じますよ。こんなこと言いながら同時に被災者の方々に「エールを送ります」って言うのもなあ。――しかし驚いたことに、ネット上にも賛同を表明してる方は何人もいらっしゃるのだが。