小泉首相靖国神社参拝

　公式参拝は憲法違反、との判断が出たのを逆手にとってというべきか。憲法で信教の自由が保証されている以上、個人参拝には法的には制限ができないのだった。（まあ公用車使って行って、ほんとに個人参拝か、という部分はあるけどさ）あるのは政治的な手法として「好ましい」か否かという傾向のみ。
　つまり、仮にどんなとんでもないカルトの信者であろうとも（一応法的に問題のない宗教集団である、というのは当然として）、法的に正しい手続に則って選ばれた政治家であれば権力を手にすることはできる。逆に言えば、一国のリーダーの思想・信仰であろうと、国の思想・宗教的態度を何ら規定するものではないわけだ。実際私も個人的には、コイズミ君がどんな宗教行事に参加しようと、だからといってその宗教宗派が何か良い物だという気は全然しないし。まあ好きにすればいいけど、それはそれとして政策はちゃんとやってよね、と思うだけ。
　ただし、靖国参拝がコイズミ氏の真摯な信仰を現すもの、という気も全然しないわけで。
　賭けてもいいけど、中国や韓国が嫌がって抗議してなかったら、彼は靖国に参拝しようなんて考えもしなかったろうね。今後もし抗議が来なくなったら、自分から止めるんじゃないかな。（当座は戦没者遺族会への体面上続けるかもしれないけど）
　要するに単なる嫌がらせね。手間も金もほとんど掛からない政治的牽制。都内にちょろっとでかけるだけで、政治的カードが一枚できてしまうという。
　中国・韓国で反日デモが盛り上がったりしたら、それこそコイズミ君の思うつぼなんであって。（中国・韓国にいる在留邦人こそいい迷惑だが）一方では経済協力とか北朝鮮問題とか北京オリンピックとか色々カードを握ってるわけだから。
　でもこの「飴」の方のカードがどのくらい有効かが分からない状態じゃ、随分危ない橋ではなかろうかと思うのだけどね。
　まあ危なくなったら、コイズミ君を切り捨ててすげ替えるだけのことか。