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米ハリケーン:死者数千人か ブッシュ大統領「復興に数年」(Mainichi INTERACTIVE)
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 標題はYUMING繋がり。まあ「もうっカトリーナってばお茶目なんだからっ」と言ってもおられん状況らしいですが。
 ニューオーリンズの8割冠水だそうだけど、ほとんど前例のない規模の嵐だったとはいえ、「もともと0メートル地帯」とか「周囲は湖と河」なぞと聞くと、そら大雨降れば冠水するだろ、これまでしなかった方が幸運だったんじゃ、と思うことだ。ニュースでは倒れた建物の周りで打ちひしがれたり、ハイになって略奪行為に励んだりする人々の姿を流してたけども、どうもこの人達、これまでがあんまりにも能天気だったんじゃ、とひっかかってしょうがない。
 だいたいそんな天気にそんな地形のとこになんで留まるかな、と。ニュース映像見てても、家の造りが高床式だったり風防付だったり、周囲に防風林とかブロック毎の堤防とかが在るようにも見えないし。これまではそれでも全然平気だったんかな? 避難しようにも、近くに避難できそうな高台もないんだろうか。
 いや、被害は誠にお気の毒なのだが。亡くなった方達だって、死ななきゃならないような何か悪いことをしたわけじゃない。それはお気の毒なのだが、今はぼーっとしてたり略奪に浮かれてたりする場合じゃないんじゃ。とりあえず雨が止んでるだけましなんであって、交通やら流通やらが止まって夏場ともなると、ほんとに酷いことはこれから起こる。生活物資が足りないとか、衛生状態が悪くて病気が蔓延するとか。そうこうしてるうちに疲労も溜まってくるし。商品を略奪したところで、持って帰って楽しむような「普通の日常」は当分戻らないだろうに。
 ニュースに映った人を見て括るのも短絡的とは思うけども、どうも医療とか食品の安全性の感覚なんかにしても、標準的な米国人って、身に迫る危険に対してあんまりにも呑気ではなかろうか。まあ呑気な方がくよくよしてるより日常を幸せに過ごせるとは思うし、それはいいことでもあるんだけども、水や電気や食料がないとか、家が瓦礫になったところで暮らさなきゃいけないとか、そういうことに想像力の働かない人達が、余所の国でミサイル打ち込んでるってどうよ、と。
 とりあえず自国の中が大変なことになってるのだから、中東なんかに軍隊送ってる場合じゃないんじゃなかろうか。災害になった途端に住民が我先に略奪を始める国が、「世界の警察」を張れるほど豊かで成熟してるとは思えんのですよ。

 と、――まさか中東のどこやらあたりに、「あの国に嵐を差し向け街を国民を蹂躙させ給え」などと祈りを捧げてる集団がいたりすまいな。
 いや、いたとしても不思議ではないんだけども、そんな悪意で普通の一般市民が数百人死んだとは考えたくないことである。
 汚らわしい呪いに手を出したりしないで下さいよ、正しいイスラム教徒諸氏。善良な住民も武装勢力も一緒くたにミサイルで焼いちまうような連中と、同じレベルに堕ちてはいけない。