「乱歩に影響受けた」自殺サイト殺人の前上容疑者(YOMIURIオンライン)


 前上容疑者は「中学生のころ、女性を窒息させる場面を描いた小説の挿絵に興奮した」と供述。小説の作者は江戸川乱歩だったと言い、「乱歩の作品を色々と読み、人を苦しめながら殺す内容のストーリーに興味を持った」と話した。

 乱歩の研究者らによると、乱歩には、前上容疑者が4年前に起こした傷害事件の手口と同様、女性の口に薬物をしみ込ませた布を押し付けるシーンが登場する作品もあるという。

 あるよそら。乱歩だもの。そりゃあ40年以上前からあって、既に広く巷間に流布しているだろうに。
 しかしてこういう記事を載せる側は、世の中にどれだけ乱歩を読んだ人間がいると思うているのだろう。逆に言えば、快楽殺人犯の中に乱歩を読んだ人間はどれだけいるのだろうね。
 なんてことを考えると、逆に「なんだこれだけ知られた猟奇小説家でも、快楽殺人犯生成率はこんなもんか」てことになりはすまいか。
 これを機に世の中の皆様も、乱歩の猟奇に触れてみると良いですなあ、と無責任に思うわたくしであった。
 自主規制? 18禁指定くらいはするとよろしいですよ。でもちゃんと成人には購入できる道を残して置いて、だけどね。
 そして少年少女らは、怪しげな黒い装丁の並ぶ棚を横目で窺いつつ、「大人になったらあのらんぽのえろぐろをよむんだ!」と胸をときめかせて成長するのですよ、ほほほ。

 しかしこの自殺サイト殺人犯についての別の報道の
自殺サイト殺人:偽装工作で逮捕逃れ 自作HP小説で示唆(毎日インタラクティブ)
 というのはなんか腹が立つ。こういう理由で自作小説なんてのに目が向けられるかと思うと。
 ネット上に落ちてる無料公開小説は8割方クズだと思うのだが、注目を浴びる理由はクォリティばかりではないのだな。事件のせいで興味を持って読みに行っても、期待するほどの何かが得られるとは、なあ……

#追記:
 あ、もしかしてこの記事、プロモーションだったの?;
乱歩地獄