湿気のせいか雨のせいか

 電車の窓からふと見たら、数百メートル離れたところに立っている筈のビルは白い靄の中に霞んでいたのだった。
 また別の線に乗ってから外を眺めていたら、先程より見通しはきくようになっていたが、遠くの地面近くの雲の中にぼんやり浮かぶ高層ビルの影が。
 ふいに頭の中に、「――のーあーらーしっーにーーー かっくーさーれたーーーー バビルのとーーにすんでいるー」などという歌が流れたことであった。
 偏った記憶が蓄積しているなあ。楽しいからいいけど。