あこがれの天動説、うろおぼえの地動説

oono_nさんとこのコメントにも書きましたが、方々で話題になってるようだからちょっとこっちでも触れます。
国立天文台のグループが小学生に行った天文に関する意識調査で、『4割は「太陽が地球の周囲を回っている」と思っている』という衝撃の結果のことですが。
確かに理解の乏しさもあるんでしょうが、こりゃ設問も悪いよ。だって、観測される現象としては「太陽が地球の周囲を回っている」だって確かな事実なんだから。天体の動きなんてあくまで相対的なものに過ぎないんだから、運行システムの観測点を地球上に固定したら、そら太陽は地球の周りを回ってますわな。
もしも「火星、金星、その他多くの恒星といった天体」も地球の周りを回ってる、といったらそれは間違いだけど。地球を中心とする単純な回転運動では説明できない複雑さになってしまうわけで(火星の逆行現象とかな)それをすっきり説明するのに「太陽の周りを地球と他の惑星が回っている」という見方をするわけだけど。
理系にしては論理式の整合性を欠いた設問だなあというのが私の感想。どっちかを選べったってどっちも正しいじゃん。「地球が太陽の周りを回ってる」と答えた子だって、とりあえず詰め込まれた「地動説」を反射的に吐き出しただけって気も。
とはいえ、こんな感想を持つ方が世間一般にはひねくれ者でありましょう……; 他に「日が沈む方角はどこか」「月の形が毎日変わるのはなぜか」なんて設問を間違えた子の割合も結構高かったそうですし。(「いろいろな形の月があるから」と答えた子供もいたというのにはメールヒェンを感じたが……近くにいたら迷惑だろな、こういう子)
実際天体なんて、何がどういう関係で動いてるのか良く分かってない人は大人にも多そうだ。まあ「常識知らず」と呼ばれるとしても、知らなくてもとりあえず生活してはいけるんだろうしね。
いやでも天文も、色々調べると面白いんですよ、ほんとに。