流血の薄明

明け方寝入っていたら、突然左手をマダム猫にしたたかに蹴り飛ばされ、悲鳴とともに起きた。爪はざっくり入っている。掌の端に、長さ一センチくらいだが。
マダムの方もその寸前までは、布団に潜り込んでよく寝ていたようだったのに、何でまた突然暴力行為に及んだものか。流石に悪いと思ったのか、しばらくは指のあたりをしゃぷしゃぷ舐めてたが。
しかしその直後には、人も猫もあっという間に眠りに戻っていたのだった。
お互い夢だったら良かったのだが、ちゃんと傷は残っている。深くはなかったのでもう乾いて塞がっているが、痛い;
飼い猫に手を掻かれるとはこのこと。
(↑珍しくもない日常の小さな不幸のこと、もしくはそうした不幸を承知の上で抱え続ける愚かしさについて、諦念を交えて語る言葉。嘘だけど)